台湾のLGBTドラマ『偽婚男女』ネタバレ＆内容
こんばんは！Lingです！
彼女とよくLGBT関連のドラマや映画を観ます。今回は台湾と中国のドラマ「偽婚男女」が面白かったのでご紹介します。ネタバレになりますのでまだ観ていない方はご注意ください。また私は中国語で観ているので、日本語版の翻訳と多少内容の感じ方が違う部分があるかもしれませんのでご了承下さい。
あらすじ
舞台は中国。ゲイである武剛（唐振剛）と外国人彼氏サム（周厚安）は一緒に住んでいますが、武剛はお母さんを安心させるため、ネットで知り合ったレズビアン楊朵（程茉）と偽装結婚をします。楊朵にも一緒に暮らす彼女がおり、武剛の母親が家にくる時にだけ、武剛の家に帰る生活を送っています。母親は突然家に訪問するのでいつも大慌て、そのうちお母さんは早めに退職して武剛たちの家に引っ越してくると強引に決めてしまいます・・・
ドラマについて
このドラマは（いろいろ政治的な問題も多いので）台湾人の役者と中国人の役者で構成されています。物語の舞台は中国と複雑です。
主題歌は慢慢說樂團の『SE-NO』です。
可愛い曲です。是非聴いて観てください！
ネタバレ
偽装結婚と突然やってくる母親のせいで、楊朵は一緒に暮らす彼女と喧嘩をしてしまいます。彼女との家に帰ると彼女は別の女性を家に連れ込んでいました。楊朵は彼女を問い詰めますが、結局フラれてしまいます。帰る家がなくなった楊朵は偽装の結婚相手武剛とサムの家に泊めてもらうことに。しかし次の日母親から早めに退職して武剛の家に引っ越すことにしたと電話があります。一緒に住んでいたサムは追い出され、母親は武剛の双子の妹であるレズビアンの武柔（李京恬）と引っ越してきます。
お母さんにバレないように偽装結婚生活を送る楊朵は、その気疲れと彼女への未練が残り暗い顔をしています。そんな様子を見て、新婚生活が上手くいっておらず元気がないと思った双子の妹武柔は楊朵を気晴らしに外に連れ出します。レズビアンが多く集まるBarで、楊朵は酔っ払い武柔に抱きつきます。これを見ていた元カノと修羅場になりますが、楊朵は武柔が好きだと宣言し、武柔も楊朵がレズビアンで兄とは偽装結婚だったことを知ります。
母親の心配は武剛と楊朵の赤ちゃんはいつ生まれるのかということと、武柔の結婚はまだかということ。武柔はどんな男性がいいのか聞くように楊朵にお願いをします。そんな中、母親の外出中にサムが家にやってきます。サムと武剛が仲良くシャワーを浴びていると早めに帰ってきた母親に見られてしまいます。サムを強盗だと勘違いした母親はサムを家中追い掛け回し、武剛もパンツ姿のまま母親を制止します。そこに帰ってきた楊朵と武柔も一緒になり大騒動。ようやく落ち着いた母親に武剛はサムは武柔の彼氏であると嘘をつきます。
武柔に彼氏がいたことに喜ぶ母親はサムにこの家に住むように提案。２人のゲイと２人のレズと母親の奇妙な生活がスタートします。母親にバレないように深夜部屋を交換するように画策して失敗したり、母親の目を盗んでいちゃついたりとにかく可愛いです。
そんな中、母親が倒れて病院にいきます。大したことなかったのですが、武柔に早く結婚して欲しい母親は医者に頼み込み癌であるという嘘の診断書を作ってもらいます。それを打ち明けられた４人は話し合ってサムと武柔も偽装結婚をすることに。
嫌がったサムと武柔ですが、結婚すればサムのビザも問題なく中国に居られることや母親を安心させたいとの武剛の願いを聞き偽装結婚を決意。
結婚式当日、母親は楊朵と武柔が隠れてキスをしているところを見てしまい大激怒。楊朵に厳しく当たる母親に武柔は本当のことを言ってしまいます。そして双子の兄の武剛も本当はゲイで楊朵とは偽装結婚だと。そこにサムと武剛がやってきて母親は号泣「４人で私を騙していたんだ！」と大騒動に、母親は気絶してしまい病院へいきますが、そこで４人は医者から実は癌は嘘であったことを知らされます。母親の病室へいきますが、母親は自分たちの子供がゲイやレズであったことを受け入れられません。そしてずっと嘘をついていたことに対しても怒り取り乱します。
母親は病院を向け出し、既に亡くなっている旦那のお墓参りにいき、お墓に向かって話しかけ大泣きします。そこに男の子がやってきて「どうして泣いているの？悲しいことがあったの？」と聞きます。男の子は続けて「家族はいるの？」『いるよ』「じゃあよかった」男の子との会話の中で家族がいる、それだけで幸せだということに気がついた母親はお墓を後にします。そこに心配して迎えに来た４人。
改めて話し合い、母親はもうこれ以上私の前で偽装結婚を続ける必要はないといい、母親と４人の子供としてこれからも暮らしていくことになります。
感想
中国の社会主義の中、家庭を持つことが大事であると度々表現として出てきます。そんな社会の体裁や両親のメンツのため偽装結婚をすることにしたゲイとレズビアン。
そしてなかなか自分の子供たちがLGBTであることを受け入れられない、中国のお母さんらしいお母さんの気持ちの変化もすごくリアリティがありました。「結婚はまだか」「赤ちゃんはまだか」「このスープは妊娠にいいからたくさん飲みなさい」等々。
自分の子供が同性愛者であると知った時、お母さんのセリフで「同性愛は欧米の話で、中国にはいないんだ！」とありました。日本の異性愛者の方々の中にも、このお母さんのように同性愛は遠い、自分とは関係のない話と思っている人も多いと思います。けどそんなことはなくて、誰しもある日突然友達や兄弟、自分の子供からカミングアウトされるかも知れません。そういったことを考えさせられるドラマでした。
現在アジアで同性婚が広まっていないことは本当に残念ですが、こういったドラマや映画によって世間の理解が深まって行くといいなと思いました。
Ling
